2024年度9月定例会 市民福祉常任委員会での質疑
大阪府後期高齢者医療広域連合の規約変更
(山田)大阪府後期高齢者医療広域連合の規約変更ということですが、何に伴った変更なのか教えてください。また、資格確認書とはどういったものなのか教えてください。
(健康医療部保険給付課)令和6年12月2日から被保険者証等を発行しなくなることに伴い、「被保険者証及び被保険者資格証明書」を「資格確認書等」に改めるものです。併せて、所要の文言を整理しています。
マイナンバーカードをお持ちでない被保険者やマイナンバーカードと保険証情報を紐付けしていない被保険者は、資格確認書を医療機関等の窓口で提示することで、従来通り保険診療を受けることができるもので、当面の間、申請不要で発行します。
(山田)資格確認書の制度は今後廃止される予定なのでしょうか?
(健康医療部保険給付課)現時点では国から廃止の通知はありません
(山田)健康保険証の廃止に多くの市民が困惑しておられます。国民健康保険や社会保険でもそうですが、マイナ保険証がないと受診ができないというような誤解がまだまだあります。誤解が生じるような広報の仕方などがあるのではないでしょうか。マイナ保険証を持たない市民でも資格確認書があれば従来通り診察を受けることができるという事実が積極的に周知されていないのではないでしょうか。豊中市は大阪府後期高齢者医療広域連合の一員として、市民の不安を解消するために、保険証が12月2日で廃止になる広報と同じくらい目立つような、資格確認書の広報を要望する必要があると思います。すなわち、マイナ保険証を持たない人には資格確認書を使って、これまで通り保険証と同じように医療機関を利用することができる、ということを大阪府後期高齢者医療広域連合は利用者に対してしっかりと説明すべきです。それを豊中市は要望するべきだということです。いかがでしょうか?お答えください。
(健康医療部保険給付課)資格確認書により、医療機関等で保険診療を受けることができることを、広く被保険者に解りやすくお知らせするよう、大阪府後期高齢者広域連合に対して要望してまいります。
(山田)大阪府こう帰国令者医療広域連合に、資格確認書について、広く被保険者に、さらに資格確認書について、広く、被保険者にさらにわかりやすく広報するよう求めてくださるとのことで、ありがとうございます。
ここからは意見・要望です。
マイナ保険証の医療機関での利用はトラブル続きです。例えば6月に亡くなった岐阜県在住の高齢女性の事案です。この女性はなくなる前日胸痛の症状を訴えてクリニックを訪れたが軽度の認知症があり、付き添った夫が代わりに窓口にマイナ保険証を提示、顔認証などはうまくいったが最終段階で資格確認端末に「資格情報なし」と表示されてしまい、保険資格が認められなかったそうです。10割負担する現金も持ち合わせておらず、一旦診察を諦めて帰ってしまった、その翌日に心筋梗塞で亡くなった、と週刊新潮が今年6月20日に報じています。
トラブルの中にはこういった死亡のケースも含まれていて、ますます不安は高まる一方です。その不安はマイナ保険証の利用率にもはっきりとあらわれているわけです。本市の国保のマイナ保険証の利用率は最新で6月のわずか「10.99%」ということです。マイナ保険証を使えば初診も再診も関係なく毎回本人確認が必要となり、資格確認に時間を取られてしまう。現行の健康保険証なら資格確認に時間は取られることはないのでこの数字は当然の結果ではないでしょうか?
マイナ保険証を不便だと感じる市民が大多数の中、紙の保険証の期限が今年8月末であった後期高齢の方が薬局で5月と6月、2度わたって「保険証が使えなくなるためマイナンバーを作ってください」と言われ不安になった事例があったと、6月2日の東京新聞の記事で報じられています。
本来ならば、「8月に新しい保険証が届く、そして12月以降も有効期限まで使える、そして有効期限のあとは資格確認書が使える」が正しい情報です。厚労省はマイナ保険証の利用を促すために薬局で使用する台本まで用意しているとのことです。台本には窓口でまず、「マイナンバーカードをお持ちでしょうか?」と尋ねるよう求めていて、利用者の答えが「いいえ」の場合でカード持参でなければ「マイナンバーカードを保険証として利用いただけます。次回来局時はぜひお待ちください」と促す。利用者がカードを作成していなければ「2024年12月2日に現行の保険証の発行が終了します。まずはぜひ、お早めにマイナンバーカードの作成をお願いします」と促すものだそうです。台本には12月2日以降も現行の紙の保険証が有効であるということや、紙の保険証の期限が終わったあとは資格確認書がもらえる、といった文言はないそうです。厚労省はこの声かけを徹底するためにチェックリストまで用意しているとのことです。
そして医療機関で配布されている厚労省のチラシもミスリードを誘うと同紙が指摘しています。そのチラシには「12月2日から現行の健康保険証は発行されなくなります」「マイナンバーカードをご利用ください」としか記載されていないのです。
OECD発表のデジタルガバメント指数で日本は2023年、33位中31位と大きく落ち込みました。デジタル政策がどう設計されているかなどの項目で評価されますが、この結果からもわかるように、デジタル化なのに不便になるマイナ保険証は設計段階で失敗しているとしか言いようがありません。現行の紙の保険証でスムーズに受診できていたのに、それが不便になるなどもってのほかです。豊中市はこんな、頼りない国の方針を後押しする必要はありません。自治体として毅然と、マイナ保険証の利用に不安を抱える市民のみなさんに資格確認書制度について積極的に広く知らせていくべきです。改めて、現行の国民健康保険証が12月2日に廃止される、そしてその前日の12月1日までに新たに被保険者に加入した人にも2025年10月末までの有効期限の被保険者証を発行する、と知らせる広報と同じくらい目立つような広報で紙の保険証が使えなくなったあとは、マイナ保険証がなくても資格確認書を使って医療機関を受診できるという情報も積極的に発信いただきたいです。そして大阪府後期高齢者医療広域連合の方も(後期高齢者医療広域連合のチラシもマイナ保険証を促進したいあまり、非常に不親切な立て付けになっているので)こちらについても、保険者証の期限が切れたのちは資格確認書があるという事実を積極的に、最も目立つ形で広報することを求めてください。これらを強く要望します。
国民健康保険事業
(山田)国への返還金が2千7百52万円とありますが、その内訳を教えてください。
(健康医療部健康推進課)返還金2千752万3千円の内訳は、出産育児一時金の大幅引き上げによる臨時補助金の返還金が6万2千円、特定健康診査等負担金の返還金が千519万円、特定健診未受診者対策など被保険者の健康の保持増進を目的としたヘルスアップ支援事業費にかかる返還金が千227万千円です。
(山田)特定健康診査等負担金に係る返還金が1千519万円、特定健診未受診者対策など被保険者の健康の保持増進を目的としたヘルスアップ支援事業日に係る保険給付費等交付金の返還金が1千227万千円とのことでした。
第3期保健事業実施計画(データヘルス計画)及び、第4期特定健康診査等実施計画【概要版】によりますと、特定健康診査受診率が、同規模自治体と比較しても低く推移しているとのことです。
未受診の理由の把握があれば、その内容について教えてください。
(健康医療部健康推進課)昨年度に、市の健診未受診者に対して実施した受診状況実態調査では、特定健診を受けない理由として、多いものから「必要な時は医療機関で受診できる」、続いて「電話予約が面倒」「健診を受ける時間がない」「人間ドック等でけんしんを受けている」となっています。
(山田)意見・要望です。2022年の受診率が26.7%と、コロナ前と比較しても低迷しているようです。豊中市は特に同規模自治体と比較しても低いようですので、原因を追及し、具体的な対応に繋げていただきたいと思います。この質問は以上です。
公害健康被害補償費
(山田)公害健康被害補償費国庫補助金の返還について、お尋ねします。返還金55万3千円が生じた主な理由を教えてください。
(健康医療部保健安全課)返還金が生じた主な要因は、公害健康被害補償の認定者の障害等級見直しにかかる検査費用などが当初予算で見込んでいたより少なかったことなどによるものです。
(山田)返還金が生じた主な要因は公害健康被害補償の認定者の障害等級見直しにかかる検査費用などが見込みより少なかったとのことでした。
では公害健康被害補償に認定されるのはどういった方なのか、教えてください。合わせて、1988年の法改正により第一種地域の指定解除があり、それ以降新規の認定はないとのことですが、取りこぼしはないのでしょうか?お答えください。
(健康医療部保健安全課)公害健康被害の補償等に関する法律により、第一種地域として指定された本市の一部地域に一定期間以上居住または通勤し、指定疾病である気管支喘息や慢性気管支炎などに罹患され認定されたものです。ご質問のとおり、1988年、昭和63年3月1日を持って第一種地域の指定解除が行われたため新たな認定は行っておりません。
第一種地域として大気汚染が生じその影響により疾病が多発している地域が指定されましたが、大気汚染の状況が改善されたことや健康に対する影響など様々な議論をふまえ、第一種地域のして解除が行われたものと認識しており、現在、新たな認定を希望される相談はありません。
気管支喘息などの指定疾病に影響を与える因子は大気汚染だけによるものでなく、その疾病や症状の程度により、健康相談や他の医療費助成制度を利用することができます。
(山田)意見です。本市でも、1988年の公害健康被害補償法改正以降は新たな認定を行っていないとのことですが、東京経済大学の尾崎寛直教授は2018年発行の総合学術誌「日本の科学53号」で、「公健法の新規認定を打ち切った 1988 年 以降もぜん息有症率は一貫して増加傾向に あり、大都市部では全国平均と比べて 2 ~ 3 倍の有症率は珍しくなく、その差は固定化し ている」と述べています。また、同学術誌で「未認定患者は公健法の認定 患者のような生活保障的給付はおろか医療費 助成もないため、公害の被害がより深刻に現 れる.健康被害に始まる被害の派生的拡大と 累積という悪循環を早期に断ち切らねば、ますますその深刻度は増し、取り返しのつかな い事態を惹起しかねない.」とも述べています。
この件について、専門家の懸念をも鑑み、本市での新たな救済制度創設などの必要性も視野に入れながら今後も調査を進めていきたいと思います。
1988年の公健法改正以降、本市と同様に旧第一種地域だった自治体などがその後独自に公害患者の医療費救済制度を設けた事例があるかどうかなども、今後調査を進めてまいります。そしてこの件を改めて決算委員会で伺いたいと思います。
以上でこの質問を終わります。
福祉的就労の場への支援
(山田)事業利用意向があったのは1事業所だけとのことです。手を挙げにくい事業内容なのではないでしょうか?市の考えをお聞かせください。
合わせて就労事業所の実態の調査状況などを教えてください。
(福祉部障害福祉課)本事業に限らず、一部の事業所から事務負担感がある旨は聞き及んでおりますが、利用意向が1事業所であった主な原因は、本事業が生産設備の導入経費に特化したものであったためであると考えております。なお、就労支援事業所の実態調査は行っておりませんが、毎月開催される豊中市就労支援連絡会におきまして、事業所から意見聴取を行っております。
(山田)意見・要望です。一部の事業所にとって事務負担感がある、これは人手不足などが起因すると推察します。1事業所しか手が上がらなかった主な原因は、要は事業自体にニーズがないということではないでしょうか?
国の2024年度報酬改定で、経営状況が悪ければ補助を減額する仕組みになり、収益力の乏しい事業所が運営の継続を断念していると2024年06月16日の山陽新聞の記事で報じられています。A型作業所が全国的に潰れたり、B型作業所に変わっていっている現状もあるようです。希望する誰もが働ける共生社会に向けて、生産性一辺倒ではない働き方の追及と、生産性の不足分を制度的にいかに補うかが重要となります。今後は就労支援事業所の実態調査のもと、ニーズを把握いただき、実態にあった事業提案を国に求めていただくように強く要望してこの質問を終わります。
若者支援総合相談窓口
(山田)若者支援総合相談窓口の概要と1,790万円の内訳について教えてください。
また、今回プロポーザル方式にて事業者募集を行う理由はなんでしょうか、お聞かせください。
(市民協働部くらし支援課)若者支援総合相談窓口の概要につきましては、 青少年交流文化館いぶきにて、高校生世代以上の不登校やひきこもり、就労等の相談に対して、関係機関等と連携し、家庭訪問、登校支援などのほか、対人関係構築など様々な支援を実施しています。
1千790万円の内訳につきましては、全額委託料で、その内容は相談担当職員の人件費が約 9割で、他には謝礼金や需用費、役務費、PCリース費などを見込んでおります。平成 26 年度の事業開始時には、提案公募型委託制度により公開プレゼンテーションを行い、プロポーザルにて委託事業者を決定しました。以降は、専門的なノウハウを持つ若者支援団体が市内に他にないこと、相談者や関係機関との信頼関係を基にした継続的な取組が必要な事業であることから、随意契約を行ってまいりました。
子ども・若者育成支援推進法施行から14年が経過し、若者支援に取り組む民間団体が近隣市も含め増えてきたことから、民間支援団体が保有する若者支援に関するノウハウ、専門性、対応力等を事業に生かすため、広く事業者を公募するものです。
(山田)この若者支援総合相談窓口の業務は多岐にわたりながら全てが重要な支援内容だということ、金額の内訳や公募プロポーザルにする理由もろもろ、承知しました。
続きまして、昨年度の相談内容、について相談者の男女比、年齢層の割合、障害の有無の割合、不登校経験の有無の割合、主な相談内容を教えてください。
(市民協働部くらし支援課)・令和5年度の新規相談にかかる実績から、男女比につきましては、男性が62.9%・女性が35.5%・不明が1.6%です。
年齢層の割合につきましては、10 代後半が 42.8%・20 代前半が28.2%・20代後半が 11.3%・30代前半が11.3%・30代後半が3.2%・不明が3.2%です。
障害の有無の割合につきましては、ありが 41.9%・なしが 45.2%・不明が 12.9%です。不登校経験の有無の割合につきましては、経験ありが58.9%・経験なしが 27.4%・不明が13.7%です。
主な相談内容につきましては、多いものから就労・ひきこもり・進路・対人関係・不登校・メンタル・アルバイト・学校定着・障害・家族問題の順となっております。
(山田)現在、特に豊中市でも大きな課題となっていて、なおかつセンシティブなものが主な相談内容であり、そして10代、20代前半の若者が相談者の多くを占めている状況です。実態にあった大事な取り組みだと評価します。
続きまして、何年契約を予定していますか?お答えください。
(市民協働部くらし支援課)契約期間としましては、引継等業務準備期間を除き、令和 7年度から9年度までの3年間を想定しております。
(山田)意見・要望です。若者支援総合相談窓口の事業が始まって以来、本市と当該事業者が連携し育んでこられた支援体制だと伺っています。
さらに、相談者と事業者との信頼関係があったからこそ、継続的な取り組みが可能だったと理解しています。今後3年に1回のプロポーザル方式での事業者募集に切り替わるということですが、このプロポーザル方式の公募は事業者にも大変な負担がかかることが考えられます。
契約の年数を伸ばすこと、例えば3年ごとから5年ごとにすることについての、今後の検討を要望いたしましてこの質問を終わります。
生活困窮者自立相談支援事業
(山田)国庫支出金等過年度清算金6,527,000円の内訳について教えてください
(市民協働部くらし支援課)国庫支出金等過年度精算返還金の内訳につきましては、 住居確保給付金にかかる生活困窮者自立相談支援事業費等国庫負担金に関するものが379万3000円、就労準備支援や家計改善支援、生活困窮世帯のこどもへの学習支援などにかかる生活困窮者就労準備支援事業費等国庫補助金に関するものが273万4000円となっております。
(山田)住宅確保給付金家賃補助の概要と、過去3年間の利用者と支給延件数の推移について教えてください
(市民協働部くらし支援課)住居確保給付金につきましては、離職等により困窮し、住居を喪失した人または住居を喪失するおそれのある人に対し、家賃相当分の給付金を支給することで、住居や就労機会等の確保に向けた支援を行うものです。
支給期間は 3か月間で、 状況に応じて延長ができ最大 9 か月間の受給が可能です。
過去3年間の利用者の推移につきましては、 再支給申請を含む新規支給決定者数が、令和3年度から順に229人、146人、45人で、延べ支給人数が、1,278人、747人、220人となっております。
(山田)意見・要望です。過去3年間の「利用者の推移」、「延べ支給人数」共に劇的に減っています。
広報も社協など生活支援貸付金の申請の際の周知などもしっかり行っていただいているとのことですし、コロナのパンデミックが落ち着いたこと、再支給申請申請が一旦終わった背景があると思いますが、
先日、生活保護申請希望の方から相談をいただきまして、その方が失業してから4年ほど貯金を切り崩して生活をされていたとのことです。こういった支援事業の制度を知らずに貯金を切り崩して生活をされている方がいらっしゃるという事実もふまえて、引き続き周知と、この方のように隠れて埋もれてしまっている市民にも情報が届くような、周知の工夫を合わせて要望してこの質問は以上となります。